共謀罪に反対する神奈川県内大学人

アクセスカウンタ

zoom RSS 声明・呼びかけ人・賛同人(6月22日)

<<   作成日時 : 2017/06/23 00:31   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

共謀罪法強行採決に抗議する
神奈川県内大学人の緊急声明



 われわれ神奈川県内大学有志は、本年3月21日に同日の閣議決定を経て政府から国会に上程され、今月15日に参議院本会議における強行採決を経て成立させられた「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」は、内容とこれまでの採決の過程に重大な問題をはらんでいるため、今回の強行採決に抗議し、すみやかにこの法律を廃止することを求める。以下にその理由を述べ、ここに広く社会に訴える。

1)この法律は共謀罪新設法である
 政府は上記法律の案を「テロ等準備罪処罰法案」と呼び、また、これまで3回にわたって廃案となった共謀罪新設法案とは異なったものであると説明してきた。しかしながら、上記法律は、明らかに、これまでの共謀罪新設法案と同じ内容のものであって共謀罪法と呼ぶべきものである(したがって同法律を以下「共謀罪法」と呼ぶ)。そして、以下に述べるように、共謀罪を設けることには、きわめて深刻な問題がある。

2)刑法の体系のなかで人権を守るために築かれてきたしくみが破壊される
 日本の刑法の体系においては、犯罪を取り締まるとともに、そのさいにも基本的人権を傷つけないようにするための仕組みが築かれてきた。その最大の柱は、罪刑法定主義のもとで、明確な他者への不当な加害行為と、殺人等、特に重大な加害行為に限ってその未遂、準備を罰することとし、共謀など加害行為が明らかではない段階では処罰しないということである。
 共謀罪法は、共謀罪を新設し、277もの多数の種類の犯罪について、その共謀の段階において人を処罰しようとするものである。これは、市民にとっては、話しあっただけ、あるいは目配せしただけで逮捕、処罰されうることを意味し、言論の自由さらには内心の自由をいちじるしく脅かすものである。

3)処罰対象の集団・個人は限定されない
 政府は、共謀罪法は一般の人を対象としないと説明しようとしてきた。しかるに、同法は、広範な種類の罪について、複数の人間の共謀があった場合にそれを罪とするものであるから、誰でも、またどのような集団・個人でも法律違反に問われる可能性がある。一般の団体が犯罪集団に「一変」することがありうるとは、政府の答弁である。

4)「準備行為」による歯止めはないに等しい
 政府は、共謀罪法が従来の共謀罪法案とは異なって、共謀に加えて「準備行為」があってはじめて処罰対象とするので限定がある、と説明しようとしてきた。
 しかしながら、同法のいう「準備行為」は、預金引き出し等、それ自体はなんら有害性のない行為であり、また無限定であるので、共謀罪の疑いをいったんかけられた 人物・集団は何をしても「準備行為」もしたことになり、容易に処罰対象となってしまう。従来の共謀罪法案以上に人権を守るために歯止めがかけられているとは言い難い。

5)日本の監視社会化のおそれがある

 共謀を罪とする場合、共謀の段階で処罰を行うためには、捜査機関である警察には、まだ何もしていない人々を常時監視することが必要となる。あらゆる人が不断に監視される監視社会が現実のものとなるおそれは、大きい。

6)国際条約加盟に必要ではない
 政府は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)に加盟するためには共謀罪新設が必要であると説明しようとしてきた。
 しかしながら、同条約は個々の加盟国の法体系を破壊してまで共謀罪の導入を求めるものではなく、そのことは条約条文の専門家の意見からも明らかである。

7)テロ対策とは関係がない
 また、政府は、オリンピック・パラリンピック開催を前にして、テロ対策を行うためには前記条約への加盟と共謀罪法が必要であると主張している。
 しかし、同条約は、不正な行為によって経済的利益の獲得をめざす犯罪集団を取り締まることを目的としているのであって、テロ対策とは関係がない。

8)必要な審議がなされていない
 このように重大な法案は、多くの時間をかけて十分に審議されなくてはならない。しかしながら、3月下旬に閣議決定した法案を、与党は、5月23日には早くも衆議院において可決させてしまうことを強行したばかりではなく、今また、わずかな時日を経たのみで採決を強行し、法律を強引に成立させた。
 この間の、わずかな審議のなかでの政府の側からの説明は、あいまいなものに終始し、さまざまな重大な疑問に対して必要な説明を行っていない。

9)あまりにも横暴な方法で採決を行った
 しかも、与党は、法務委員会における審議を打ち切って「中間報告」に代えることで、法務委員会の採決すら省略して参議院本会議で採決、可決するという、異例中の異例の方法をとるという暴挙に出た。
 議会制民主主義の根幹は、多数派が多数決を用いて自分たちに都合の良い決定を行うことにあるのではなく、徹底的な開かれた議論を通じて、少数派の質問、批判を十分に尊重しつつ問題を理性にもとづいて検討し、できるかぎり明らかにし、真に国民の代表として国民にとって最も適切な答えをみいだすことにある。いわんや、国会においてはまず委員会において議論、採決を行ったのちに本会議審議に入るという、通常のルールすら破って採決・成立を強行することは、断じて許しがたい。

 以上のように、もっとも重要な点に限定しても上記のように多くの問題があり、このように重大な問題のある法律を、このような横暴なやりかたで成立させることは、日本における人権と民主主義を根幹から傷つける事態である。われわれは、強行採決に強く抗議し、すみやかにこの法律を廃止することを求めるものである。

2017年6月18日





(呼びかけ人)
阿部浩己(神奈川大学教授・国際法)
梅ア透(フェリス女学院大学教授・歴史学)
小野塚知二(東京大学教授・西洋経済史)
久保新一(関東学院大学名誉教授・経済学)
小沼通二(慶應義塾大学名誉教授・明治学院大学研究員・物理学)
清水竹人(桜美林大学教授・平和学)
高原孝生(明治学院大学教授・国際政治学)
常岡(乗本)せつ子(フェリス女学院大学教授・比較憲法学)
中西新太郎(横浜市立大学名誉教授・社会哲学、社会学)
永岑三千輝(横浜市立大学名誉教授・ヨーロッパ現代史)
永山茂樹(東海大学教授・憲法学)
諸橋泰樹(フェリス女学院大学教授・マスコミ学、女性学)
矢吹晋(横浜市立大学名誉教授・中国研究)
山根徹也(横浜市立大学教授・西洋史)

(賛同人)(22日午前)
青井未帆(学習院大学教授・憲法学)
青柳寛(国士舘大学教授・文化人類学)
秋月望(明治学院大学教授・歴史学)
新井秀明(横浜国立大学・教授・教育学)
荒井真(フェリス女学院大学教授・比較法学)
池田智子(桜美林大学教授・コミュニケーション学、日本語教育)
池谷尚美(横浜市立大学非常勤講師・ドイツ語教育学)
五十嵐陽子(横浜市立大学専任講師)
石川文也(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、言語学)
泉谷陽子(フェリス女学院大学准教授・中国近現代史)
一楽重雄(横浜市立大学名誉教授・数学)
井上惠美子(フェリス女学院大学・教授・ジェンダー教育学)
猪瀬貴道(北里大学准教授・国際法)
今村与一(横浜国立大学教授・民法)
上杉忍(横浜市立大学名誉教授・アメリカ史)
上村雄彦(横浜市立大学教授・国際政治)
梅林宏道(明治学院大学研究員・平和研究)
遠藤紀明(横浜市立大学非常勤講師・独文学・音楽学)
近江吉明(専修大学教授・歴史学)
大野瑞男(東洋大学名誉教授)
大村真樹子(明治学院大学教授・経済学)
岡眞人(横浜市立大学名誉教授・社会老年学)
岡田進(東京外国語大学名誉教授・経済学)
小ヶ谷千穂(フェリス女学院大学・教授・国際社会学)
押久保倫夫(東海大学教授・憲法学)
乙坂智子(横浜市立大学教授・アジア史)
小野森都子(専修大学非常勤講師・独文学)
影山摩子弥(横浜市立大学教授)
片野淳彦(明治学院大学研究員・政治学)
加藤千香子(横浜国立大学教授・日本近現代史)
加藤千博(横浜市立大学准教授・英文学)
金子文夫(横浜市立大学名誉教授・国際経済史)
加山久夫(明治学院大学名誉教授・新約聖書学)
河上茂(日本科学者会議東京支部幹事・制御工学)
川口洋一(学習院女子大学名誉教授・物理学)
川田麻記(桜美林大学准教授・日本語学、日本語教育)
北川善英(横浜国立大学名誉教授・憲法学)
木村敬(神奈川大学・物理学)
木村真希子(津田塾大学准教授・社会学)
倉舘健一(慶應義塾大学非常勤講師・外国語教育学)
倉持和雄(東京女子大学教授・横浜市立大学名誉教授・韓国•朝鮮研究)
郷健治(神奈川大学教授、イギリス文学)
小馬徹(神奈川大学教授・文化人類学)
小寺隆幸(明治学院大学研究員・数学)
後藤仁敏(鶴見大学名誉教授・解剖学・古生物学)
小森田秋夫(神奈川大学教授・比較法学)
齋藤範(横浜市立大学非常勤講師・哲学、倫理学)
齋藤百合子(明治学院大学准教授・開発学)
佐々木園子(東海大学名誉教授・植物学・環境科学)
佐藤恭三(専修大学名誉教授・国際関係史)
清水雅大(横浜市立大学客員研究員・国際関係史)
島村輝(フェリス女学院大教授・日本近現代文学、藝術表象論)
下山房雄(九大名誉教授・社会政策)
庄司達也(横浜市立大学教授・日本近代文学)
杉田敦(法政大学教授・政治学)
杉田弘也(神奈川大学特任教授・オーストラリア政治)
辻子美保子(神奈川大学教授・言語学)
鈴木勝久(横浜国立大学名誉教授、地球物理学)
鈴木重周(横浜市立大学共同研究員・フランス語圏文化研究)
鈴木陽一(神奈川大学教授・中国文学)
関口昌秀(神奈川大学教授・教育学)
須藤遙子(筑紫女学園大学准教授・文化政治学)
惣田c夫(元静岡理工科大学教授・環境微生物学・環境工学)
高桑和巳(慶應義塾大学准教授・フランス・イタリア現代思想)
高橋博子(明治学院大学研究員・歴史学)
高橋寛人(横浜市立大学教授・教育学)
高柳彰夫(フェリス女学院大学教授・国際関係論、国際開発研究)
田代洋一(横浜国立大学・大妻女子大学名誉教授・農業政策)
田中桂子(明治学院大学教授・教育学)
田中史生(関東学院大学教授・歴史学)
田丸理砂(フェリス女学院大学教授・ドイツ文学、ジェンダー論)
谷口昭弘 (フェリス女学院大学准教授・アメリカ音楽研究)
土屋昌明(専修大学教授・中国研究)
恒木健太郎(専修大学准教授・経済学史)
土井日出夫(横浜国立大学教授・経済学)
東郷佳朗(神奈川大学准教授・法社会学)
東澤靖(明治学院大学教授・国際人権法)
外山知子(明治学院大学 非常勤講師・ドイツ文学)
内藤耕(東海大学教授、東南アジア研究)
長尾演雄(横浜市立大学名誉教授・社会学)
中川弘(福島大学名誉教授・経済学史)
中川正紀(フェリス女学院大学教授・アメリカ研究)
中谷崇(横浜市立大学准教授・アメリカ文学)
中塚次郎(フェリス女学院大学教授・西洋史)
中西恭子(明治学院大学非常勤講師・宗教学・キリスト教学)
中村栄子(横浜国立大学名誉教授・分析化学)
永本哲也(東海大学非常勤講師・西洋史)
西尾宇広(慶應義塾大学専任講師・ドイツ文学)
西島益幸(横浜市立大学教授・経済学)
西山暁義(共立女子大学教授・西洋史)
根本精司(東海大学名誉教授・数学)
根本敬(上智大学教授・東南アジア史)
根森健(神奈川大学特任教授・憲法学)
萩原伸次郎(横浜国立大学・名誉教授)
白藤博行(専修大学・行政法学)
長谷川宏(専修大学教授・言語学)
林博史(関東学院大学教授・平和学)
原基晶(東海大学文学部専任講師・イタリア文学)
針貝真理子(慶應義塾大学非常勤講師・ドイツ文学・演劇学)
春田晴郎(東海大学教授・古代オリエント)
晴山一穂(専修大学法科大学院教授・行政法)
兵頭淳史(専修大学教授・社会政策論)
平井美佳(横浜市立大学准教授・心理学)
平松尚子(横浜市立大学・准教授)
平山恵(明治学院大学准教授・国際保健学)
福島利夫(専修大学教授・経済学)
藤井一幸(横浜市立大学教授・数理科学)
藤巻光浩(フェリス女学院大学教授・レトリック)
古石篤子(慶應義塾大学名誉教授・フランス語教育学)
古川純(専修大学名誉教授・憲法学)
星野潔(立正大学非常勤講師 社会学)
堀由紀子(フェリス女学院大学教授・ピアノ演奏)
増田公香(横浜市立大学教授・社会福祉学)
松原宏之(立教大学教授・アメリカ史)
松本建速(東海大学教授・考古学)
的場昭弘(神奈川大学教授・マルクス)
丸茂信行 (関東学院大学 元非常勤講師・環境論)
道家英穂 専修大学教授・英文学
嶺井正也(専修大学教授・教育学)
村田憲郎(東海大学教授・哲学・思想)
村田隆一(横浜市立大学名誉教授)
柳下換(横浜市立大学非常勤講師)
柳原伸洋(東京女子大学准教授・ドイツ現代史)
山口建治(神奈川大学名誉予教授・中国民間文芸学)
山本泰生(横浜国立大学教授・ドイツ思想)
山本和重(東海大学教授・歴史学)
吉川智教(横浜市立大学名誉教授・経済学)
吉原功(明治学院大学名誉教授・社会学)
涌井秀行(明治学院大学客員所員・経済学)
渡辺憲正(関東学院大学教授・社会思想史)
渡辺祐子(明治学院大学教授・キリスト教学)
渡邊良朗(東京大学大気海洋研究所)
渡辺浪二(フェリス女学院大学教授・ 社会心理学)
渡會知子(横浜市立大学准教授・社会学)
(匿名)(大学教授)
(匿名)(大学准教授)

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
声明・呼びかけ人・賛同人(6月22日) 共謀罪に反対する神奈川県内大学人/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる